喉に小骨
昨日、仕事からヘロヘロになって帰宅すると息子が玄関で泣きついてきた。「喉に骨が刺さった。取って」
【なんの骨じゃ】「わからん」【太いのか細いのか】「わからん」
こやつ、と思いつつ、可哀そうだから取ることにする。
家なので鉗子もピンセットも小型ライトもない。
仕方ないので息子に自分のスマホライトで喉奥を照らさせ、覗き見る。
【どこら辺だ】「わからん」。
うそやろ、わからんなんて・・・。ほんまにアホかも・・・。呆れながら、割りばしで喉奥を突く。
そのたびに息子は「おえ、おえ」と何度も噎せ、トイレに吐きに行く。戻ってくるとまた口をあんぐり明け、自らスマホライトを掲げて喉奥を照らし、「早く取れ」とせかしてくる。喉仏あたりを触るとまた「おええ」。わが子ながら情けない、アホの極致やと思いながら、続けていると「あれ、取れたかも」と息子が首を傾げた。
そうかそうか、よかったよかった。
あまり小バカにすると可哀そうだと思い、自分の失敗もさらりと告白しておく。
【実はわしも一度、イワシの小骨が喉に刺さり、病院で取ってもらった。あれから気を付けるようになった。情けないから同じ間違いはせんように】
息子が嗚咽の涙眼で私をじっと見返してくる。
「俺、これで三回目」。
高校二年生かぁ。たぶん来年、大学受験にスベると思う。
2020年01月25日 21:17