ゆりの木動物病院|阪急庄内駅すぐ近く|大阪府豊中市

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線路はどこまで続くのか

六月は過ぎ去り、もう七月。
月日が過ぎるのは早いなあとつくづく思う。
開業してからというもの毎年六月には大きな出来事があった。
例えば一昨年。
起きたのは大阪北部の震災。
通勤での運転中、急にどん。
大きな縦揺れが起き、車内で体が真上にはねた。
一瞬、何が起きたのかわからなかった。
目の前の電信柱はぐらぐらと揺れ、アスファルトも波打っている。
その後も、余震が続く日々。
そしてさらには大型台風。
あの日。
窓外の暴風雨を眺めながら、誰も来るはずがない受付に座っていた。
窓はみしみしときしみ、シャッターはガタゴトとうなり、暴風の中、窓外では樹々の枝葉やシート、すだれまでもが飛び交うのが目に映った。
一体、今年はどうなるのだろうか。
開業したばかりのなのに。
ひやひやしながら思っていた。
そして昨年。
六月に吹田での交番襲撃。
その日、患者さんが朝早く来院されるため、いつもより早く起きてテレビをつけた。
速報でのテロップ。
千里で銃撃があったとのこと。
犯人は捕まっていませんと、アナウンサーが何度も繰り返す。
嘘やろ。
結構近くやん。
ひやひやしながら、自転車に乗ると、空にはヘリコプターが物々しく旋回。
警官があちこちに立っている。
横を通り過ぎると、鋭い目をした警官に顔をじっと見つめられた。
ヘリコプターのブルブルとした地面を揺るがすような音が鳴り響く中、緑地公園近くを走っていると今度はパトカーのけたたましいサイレン音。
背後から迫ってきて、なにも凶悪なことはしていないのに自分が追われているような錯覚までした。
今年は、どんな六月になるのだろう。
正直、不安だった。
そんな気持ちでこの六月を過ごしていたのだが、ありがたいことに今年は大きな出来事はなかった。
でも、本当に何事もなかったか。
そうでもない。
コロナという災禍。
いまだに続いている。
今年はこのままずっとコロナウイルスに苛まれ続けるのだろうか。
そんな出口の見えない渦巻に巻き込まれたまま、毎日が過ぎている。
昨年暮れから、海外で起きた、対岸の火事のように眺めていた災禍。
気づくと、災いはいつの間にか燎原の火のごとく目の前へと迫っており、国家は自粛という一時的な鎮火を講じてはみたものの、それをあざ笑うかのように小さきウイルスは形を変え、姿をくらまし、それでもひっそりと、ひそかにくすぶり続けていたらしい。
咽頭や鼻腔の粘膜。さらには目には見えない肺野という、無限の広がりがありそうな人体という小宇宙で、はたまたその奥底の無数の肺胞で、粘着するかのようにねっとりとへばりついて。そのままじっと息を殺して潜み続けていたかと思うと、人の往来の自由化とともに、いよいよ待ったましたといわんばかりに飛び出してきて、それどころかさらなる勢いを増して、今ではもはや簡単には消えそうにもない飛沫という途方もない量の火の粉を、我々に向けてこれでもかとこれでもかと次から次へまき散らしてくる。
ネットやテレビでは様々な情報が飛び交い、いろんな立場の人間がときには罵倒のような議論を交わしている。
一体なにが正しいのか。
どこに責任の所在を求めようとしているのか。
一向に見えぬまま。
その間もコロナは素知らぬ顔で、次々と宿主を変え、己の姿を変幻自在に、ものの見事に亜型として変異しながら、次なる新たな人体という隠れ家へ住まいをすいすい巧みに遷していく。
本当は誰も知らない。わかりもしない。
専門家だって人間。
きっと本当のことまではわからず、困っていることだろう。
どうすべきか分かるはずがない。
だって私たちはすぐそばの隣人だって知らない。
隣の相手がどのような考えを持ち、どんな人間か、うわべや態度だけで判断しているけれど、本当はその心根まで推し量ることはできていない。
専門家も、試験管や顕微鏡下でのウイルスの振る舞いはある程度つかめてはいても、彼らの真の姿や、魔法のような変化体系まではいつまで経っても掌握することはできないだろう。
動物を相手に診療をしているといつも思うこと。
抱えた疾病を前にいつも思う。
目に見える多少なりの病に対応できてはいても、本当に真の意味で治しているのだろうか。
きっと体の隅々で傷つき、ダメージを受けた細胞まではケアできていない。
不安がる動物の体や心の機微、ストレスまでしっかりと対応できてはいない。
治せそうにない病気を前にしたときはなおさら。
彼らを前にどうすればいいかさっぱり分からないこともある。
掌握なんてまるでできやしない。
いや、考えてみれば、この自己さえ、私はコントロールも支配もできていない。
目の前の症例に、感情は波のようにいつも起伏を繰り返し、日々困惑し、悩んでいる。
日々いっぱいいっぱい。
そんな人間に未知の生き物を思いのまま本当にコントロールすることなどできようか。
そんなことは無理だ。
ならば、災禍には?
一体どうする?
対策は?
誰かへの責任の所存を求めるのではなく、わかっている情報をもとに自分自身どう振る舞うべきか判断していく。
見えない彼らと折り合いをつける対策を自分で考えながら講じていく。
だんだんと、そうすることが一番大事なことのような気がしてきた。
誰かの言葉をうのみにしていると、責任の所在を誰かになすり付けてしまいそうだ。
際限のない議論に踏み込めば、この小さな頭が混乱してくる。
それどころか下手にそこに首を突っ込めば、自分の心も体もどんどんダメージしていく。
大事なことは、なんだろう。
振り回されない。
誰かのせいにしない。
情報にかく乱されない。
最近、日々、様々な人の振る舞いや言動をテレビやネットで眺めながら、大事なのは密閉、密接、密集という三密行動だけではないように思われてきた。
ならば真のソーシャルディスタンスとはなんぞや。
あふれんばかりの情報という混乱から、適度に距離を保つこと。
その距離感も、ソーシャルディスタンスという言葉の意味合いの一つとして含めていいのでは。
マスコミやネットでは様々な情報があふれ、過剰な攻撃に傷つき、心痛めている人もいると聞く。
今もこの間も、ありもしない誹謗中傷に泣いている人や、命を絶つほどまで追い込まれている人もいるらしい。
ネットだけでなく、学校でも職場でも。
我々の周囲には、様々な災禍が渦巻いている。
今一度、私自身、距離をとることの大事さを考えてみようか。
近づきすぎず、離れすぎず。
月日は終われど、人災や自然災害、災禍はやまず。
私たちは今後も目の前で次々と起こる森羅万象と顔を突き合わせていくしかない。
今年の六月。
振り返れば、過ぎゆけど、考えさせられるいつもの六月だったのかもしれない。

 
2020年07月04日 18:27

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