ゆりの木動物病院|阪急庄内駅すぐ近く|大阪府豊中市

阪急宝塚線・庄内駅3分、犬・猫を診る動物病院です。

OHPも焼却炉もないの……?

この前、うちのアホ息子が突然、
「父さん、昔の学校のプールって肩までつかる消毒槽があったって本当?」
と尋ねてきた。えーっ。こちらのが驚きだ。
「ほんとに今はないのか?」
「そんなんないわ」
へえ、そうなの。
こちらは高校まで消毒槽に浸かってからプールに入った覚えがあるから今も当然あるものだと思っていた。
そんな学生時代の思い出を一通り息子に話す。
「ふう~ん。じゃあさ、他に昔の学校にあったもので今はもうないもん知ってる?」
どうやら友達の家庭で、そういう話題があり、盛り上がったそうだ。
その失われた備品や装備などにひとつに、OHPがあるらしい。
「えっ。OHPも今はないん?」
「ないわ。名前だけはなんとなく聞いた覚えはあるけど…。使い方はよう知らん」
そりゃそうだ。今じゃ、作成した資料がプロジェクターで映し出される時代だ。
一枚一枚シートを変える、あんなめんどくさい投射器など、よほど古い資料を使わない限り、今の時代はもう使わないだろう。
他には他には…。
えっ、焼却炉も。
「そうやで。いまはダイオキシンの影響でないんや」
うそやろ。
衝撃的だ。
あの焼却炉がねえ…。
小学時代、焼却炉にはかなりお世話になった。
だって、テストが返されるたびに、放課後、友達と燃やしに行ったからな。
懐かしい思い出が脳裏に徐々によみがえる。
そういえばアワちゃんどうしてるんやろ。
あいつ、通知表まで燃やそうとしやがって。
それを見ていた私が慌てて顔を突っ込んだ。
運よく燃えずに助かってはいたものの、くすぶった焼却炉の底には、無数に捨てられた牛乳瓶の紙蓋たちと一緒に通知表が…。
まっくろくろすけの煤だらけだった。
「アホっ!親に怒られぞ」
「アホっ!親に見せる方が怒られるわっ!!」
あいつ、ほんま顔ひきつってたからなあ。
今頃どうしているんやろうか。
まっとうな大人になっていてくれたら、友としてうれしい限りだ。

で、アルコールランプも分銅もいまはないそうだ。
黒板やチョークは現在の高校でまだ使用しているそうだが、「たぶんもうなくなるんちゃうの?」と息子。
そりゃ、そうだろう。
そんな他愛ない話を息子としながら、新しい現実を一つ一つ知るたびに年老いていく気がした。
やっぱり時代は本当に変わってきているのだなあ。
かといって便利になっても、今の自分は新しいものを使いこなすことをしないし、そんな気もない。
なんだか、新しいものを取り入れること自体、億劫になりつつある。
これ以上は、昔のままでいいよ、と投げやりな気分で…。
そして気づくと若いスタッフからも取り残されているような気がして…。
それくらい現代の進歩は早い。
後、五十年や百年もしたら、どうなっているのだろう。
どう考えても、後世はすっかり変わり果てているに違いない。
江戸時代の人が今の時代をみたら、ひっくり返るくらい驚くだろうけど、案外自分もそんな風になるだろうか。
携帯はどうなっているのだろう。プロジェクターは宙に映像を映し出しているのだろうか。
外出する必要はだいぶ減るだろうし、車は空を飛んでいるかもしれない。
ペットだってロボットに替わっているかもしれない。
そうなったら獣医はエンジンニアにとって代わられるだろう。
新幹線なんてあるのだろうか。もはや人は瞬間移動しているかもしれない。
交番にお巡りさんはいるのだろうか。警官ロボットが町中を蠢いているかもしれない。
いや、いや。
そのとき人類はいるのだろうか。
人類があらゆる動物を押しのけてきたように、ロボットやAIが人間の地位を押しのけているのではあるまいか。
だとしたら、そのとき、人類は絶滅危機に瀕しているかも。
気づけばレッドリスト記載の筆頭生物となっているなんて。
まあ、そうなっていても仕方あるまい。
人類は、他の生物やこの地球環境に対して極悪非道なふるまいを相当働いてきたからな。
他の生き物が絶対にしなかった悪道な三昧を。
かの大岡越前でさえ裁ききれないほどに…。
気づけば築き上げた高度な文明が、己の首をぎゅうぎゅうに絞めつける縄となる。
現実はそうならぬよう願いたい。
が、そんな風になっていてもけっしておかしくはない幾多の過去が目の前に山積みになっているように見えるのは気のせいだろうか…。

 
2020年08月26日 20:03

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