当院には非常に気の利くスタッフが二名いてくれています。
二人には日々感謝しかありません。
飼い主さんたちの受けもよく、いつもわんちゃん猫ちゃんたちに親身になって尽くしてくれます。
私にはまったく尽くしてくれません。が、それでもそれでも二人には本当に感謝しかありません。
ここで日々の感謝の意を表して、当院の大事で貴重なスタッフお二人をご紹介したいと思います。
どちらがどちらとわかると、個人情報が取りざたされる時代ではありますし、彼女たちにもたいへん失礼なので、
ここでは「LLさん」と「XSさん」と略して書かしてもらいます。
で、2Lさん。彼女は、開院間もないころから勤務してくれている、非常にありがたき存在です。
長い間、二人での業務が続いたので私とはほぼあうんの呼吸。
時には飼い主さんの前でも本音で言い合っています。礼儀も尊厳もくそもあったものではありません。
で、飼い主さんから「面白いわね、この二人」と笑われることが多いです。
中には真剣に「親子ですか?」とか「もしかして夫婦ですか?」と聞かれる方がいます。
そんな時、彼女は全力でこう言います。
「絶対に違います。まったくもって、ぜ~っったいに!!」
大変悲しく残念なことではありますが、私と同類にみられることが相当いやなようであります。
どうせ全力になるのなら、温暖化が進む地球環境みたいな問題に真剣に取り組めばいいのに・・・。
そんな彼女の活動地域は主に検査室から診察室、手術室まで。受付にも出没します。
性格は自称ツンドラ気候。
本当に冷酷なまでに冷たい、ときが結構、まぁ、ままですが、本当にあります。
非常にまれですが、温かいときは年2回ほど・・・。
でも、くだらない冗談でもひとたびいえば・・・。
さめざめとした二つの瞳が私をじっと見つめてきます。
「今のだじゃれは本当に必要ですか」
ああ。
ああ。
今日も冷たい。
こんな私にも、あの失言大臣のような図太い根性があれば、余裕で居直るのでありますが、なぜか彼女の冷酷な瞳の前ではそれができません。
そう。あまりの寒さに背筋がいつもぴしっ。
凍りついていき、最後は結局、アナ雪のごとく、♪~Into the unknown~♪
ですので、ど暑い真夏にはいっしょにいるのが最適かもしれません。
今日も私は、おさるの次郎ちゃんばりに薬台に手をついて反省を続け・・・。
で、お次。
XSさん。2Lさんごとく、性格を気候で表現すれば、地中海性気候か、偏西風を伴う西岸海洋性気候。
非常に温暖な感じの方であります。整理整頓が得意で、非常に気が利きます。見た目もとても感じのよい方です。
主な生息地域は受付から薬局。最近は診察室や手術室までテリトリーを広げつつあります。
そのXSさんですが、何か一つ欠点を上げるとすれば、帰宅時、忘れ物をすること。
もしかして少しばかり無添加無着色のナチュラル素材が含有されているのかな、と心配してたら、や~っぱり。
連続でノートや小物を忘れていくではあ~りませんか。
あまりにも忘れ物をして帰られるので、指摘しないのも立場上悪いと思い、私と、彼女にはたいへん親切なツンドラさんで今日も帰り際にこう言ってあげます。
「ハンドル忘れていってない?」「サドルは?」「タイヤはついてる?」「靴はいた?」
で、日々、こんな忠告をしていたら、「もうっ!。そんなもの忘れるはずがないじゃないですかっ!」と最近言い返されるようになってきました。
よほど私たちに忘れ物忠告されるのが腹立たしくなってきたようです。
先日のこと。帰宅前、スタッフルームの手前でじっと考え込んでいる彼女がいました。
「どうしたの?」
「また忘れ物をしたのではないかと思って、先生に言われる前にいま考えているところです・・・」
【なぁぁんだ、そんなことか】
なんと。いたいけすぎて、かわいすぎて。
思わずため息がでてきそうです。
親切な私。いいですよ、お教えいたしましょう・・・。
「たましいちゃうか」
彼女は一瞬、きょとんとした顔をした後、「た、た、魂ぃい!」とすっとんきょんきょんな声を上げ、私を見ました。
彼女のあんな目、初めてみました。
「もうっ。本当に!! 失礼すぎますぅぅ!」
ドアを開けるなり、ぷりぷりぷんぷんして帰っていかれました。
どうやら私はまたやらかしてしまったようです。
なんというごめんなさい。
昨日も今日も、せっかくなので明日の分まで深く反省しておきます
かの偉大な歴史上の人物の言葉を借り、ここで真摯に謝罪いたします。
【Gomennee~、Gomennnee~、Gomenneeeeeee!!】(by Yuujikouji)
2020年02月28日 19:00