ゆりの木動物病院|阪急庄内駅すぐ近く|大阪府豊中市

阪急宝塚線・庄内駅3分、犬・猫・ウサギを診る動物病院です。

お目よごしですが・・・。

サンガールズ募集やて

先日、サンテレビ見てたら、サンガールズ募集と出ていた。

おい、おい。
ちょっと待って〜な。
あんたら、おっさんTVちゃうの?
「おっさんテ〜レビ〜♪」
って、よ〜く宣伝してんの、わしら、よ〜見てんで。
なのに、なんで若いキレイな姉さんたちを宣伝キャラクターにせなあかんの。
おっさんテレビなら募集するのはわしらおっさんやろ。
選ばれたら、わしら頑張るで。

やろ。
あんたも頑張るやろ。
な。

ええか。
ここ、関西やろ。
おもろいおっさんいっぱいおんで。
ガールズなんて言わず、わしら選抜して、宣伝した方がぜ〜ったい人気でんで。

わかってまんがな。
モデルのようなキレイなお姉ちゃんたちがあれやこれや宣伝するのが今までのテレビ局の常套手段なんやろ。

あまいな。
あまい、あまい。
若い女の子たちが美味しそうに豪華な食事に舌鼓を打つ。
大きな露天ぶろで彼女たちのすらりとキレイな背中を見せる。
そしたら温泉ホテルとかも人気出ると安易に思っとるんやろ。

ちゃうな。

ないない。
ないわ。

そんなん、浴場だけに欲情を駆り立てるだけや。
ありきたりすぎて、今の時代な〜んも宣伝効果ありゃせん。
それよりもな。
見てくれの悪いわしらのようなおっさんの方が、抜群の効果でる。

例えばや。
ホテルニュー淡路の宣伝いくで。

わしら全員、あの大きな露天ぶろや。
全裸で、肩にタオルをかけて大岩に腰をかけたり、湯に浸かったり、背中を流したり・・・。
そして黙ってだ、わしらは露天ぶろから思い思いにじっと雄大な海を見つめている。

やがてキレイな夕日が海面に映るはずだ。
その刹那。
夕日の紅い光が、海面に伸びるように映った瞬間だ。

わしらは全員、全裸のまま、おもむろに立ち上がる。
そして夕日に向かって、野犬になるのだ。
「ワオーン!!」

聞け、家庭で孤独を味わう男たちの叫びを。
聞け、職場で寂しげに弁当を一人食べる男たちの慟哭を。

おっさんたちは、頬に涙を流しながら無心で吠え続ける。
「ワオーン!!」「ワオーン!」「ウー!」「わぉーん!」
涙を流しながら、無心で夕日に向かって、ひたすら遠吠えをするおっさんたちの姿が流れたら…。

な、考えるだけで反響すること間違いなしやろ。
多くの老若男女の心を打つCMになること間違いなしや。
ついでに「イオーン!」とでも遠吠えすれば、イオンモールの宣伝までできてしまう。
な、考えるだけでおもろいやろ。

こんな光景をテレビで垂れ流すなんて、東京のテレビ局じゃできやせんで。
関西だからできる芸当やな。

そしてやな。
ニュー淡路の新CMに心を打たれた人たちが、一斉に新たに始まるGO TO トラベルを使って雪崩のように押し寄せる。
ま、一つ間違えば、GOTOトラブルになるかもしれんがな…。

ということで、サンガールズなんてありきたりな募集なんかやめてたらどうや。
おっさんボーイズの募集に変えた方がぜったいいいと思う。

その折りには、私なりに一生懸命、オッさんTVの宣伝をしたい。
そう考えている所存であります。
何卒、審査のほどよろしくお願いいたします。
わぉ〜ん!
2022年02月24日 11:26

鬼はそと・・・おっさんも

寒い日が続いていている。
何をするにも、億劫やな。
外へ出るにも「えいや」と気合を入れないとドアを開ける気にならない。

せめて気持ちだけは明るくしようと、朝から職場で「さむさむエブリデイ」と私なりのギャグを呪文のように口ずさむ。
返事はない。

ふーん、そうかい、そうかい。
あんたら何も聞こえないふりを決めこむのかい。
いいよ、いいよ。
聞こえないなら仕方がないもん。
この朝ドラ人気に絡め込んだ、シャレオツすぎるダジャレが通じないのなら、君たちがこちらを振りかえるまで口ずさんでやろう。

「もう一回言おう。さむさむエブリでぃやな。クスクス、おもろいやろ」
「・・・」
「あんな、朝ドラに寒いをかけてんやで」
「・・・」

スタッフたちは知らん顔。
全く能面づらで「まだ続けるつもりですか」と目付きで返答してくる。
お外と同じで、あなたたちも冷たいようで・・・。

先日のこと。
インターネットの記事で「日本の中年男性は世界で最も孤独な人間のうちの・・・」という表題が目に入ってきた。

何を今さら・・・。
そんなわかりきった事実を活字化して、我々中年男性にどうしろと言うのだ。
孤独なまま、あとは老いて死にいくだけの人間に今さら何を変えればいいというのだ。

大体、我々は、そんなこと、もう何年も前から気づいているんだよ。
家庭では、給料を持って返ってくるだけのただのオンボロマシーン。
職場では、大きなクマの木彫りの置き物より、ずーっと煩わしい加齢臭ただようただの生き物。
いてもいなくてもいいのさ。

ああ、そうさ。
わかってるさ。
家庭でも職場でも、私はひとりぼっちだよ。
オヤジギャグを呟きたくなるくらい孤独な人間だよ。
今さらそんなわかりきったことをはっきり言うなよ。
また悲しくなるじゃないか。
また心が冷え切ってくるじゃないか。
ということで、これがホントの「寒む寒むエヴリディ」。

おい。
お前ら、逃げるな。
頼むから背を向けないでくれぇ〜。
2022年02月03日 10:49

新年あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます。

思い返してみると、昨年はずっとバタバタとして、反省をしていることが多かったような……そんな一年だった気がします。

反省といえば、診療だけではなく、このブログも。
当初は、二週に一度はブログを更新していこうと思っていましたが、気づけば、1ヶ月に一度、2ヶ月に一度となり、そして今では。
全然、更新してない・・・。
ただ、何もしていなかったかというと、その代わりに。

年の後半から走り始めました。

最初は帰り道の小さな公園で。
不健康さと疲れやすさから。
無様な姿を誰かに見られるのは恥ずかしいので、夜、お墓のすぐ横にある小さな公園の土道を、一人で黙々と。
診療が長引いた日も。
長い手術の後の疲れた日も。
なんとか根気よく続けて。

最初は、ほんの数百メートルですぐに息が上がってしまっていたのが、気づけば日に5、6キロ。
今では場所を変え、昼間誰に見られようと恥ずかしがることもなく、コンスタントに走れるようになり、そのおかげか体力もついてきました。

大晦日も。
そして今日元旦も。
走ってまいりました。
雪がちらつく中を一人。
牛歩のようなペースで。
池のほとりの、木々に囲まれた誰もいない土道を、鴨が水浴びする姿を横目に、一人おっさんがトロトロと走っている姿は、少しお気の毒な光景に映るかもしれないけれど、毎日の運動のおかげで体調はよろしく、考える時間も増え、いいことだらけで我ながらびっくりです。

さあさあ。

とにかく新しい一年の始まりです。
今年もいろいろなことがあるでしょう。
うまく行かないことも、時には嫌になる日も訪れるでしょうが、それでもよそ見はせず、できるだけ前を見据えて。
仲間のような、家族のようなスタッフに支えられながら、今年も自分なりのペースで頑張っていこうと思います。

皆様は良い一年の始まりを迎えられたでしょうか。
これから目の前に立ちはだかる一日一日を、今年も元気で乗り切っていきたいものです。

では、本年も何卒、よろしくお願いいたします。
今年も、ご愛顧いただければありがたい限りです。
2022年01月01日 10:20

皇帝ダリア

いよいよ、冬到来か。
今週末には今年最強の寒気が襲ってくるらしい。

そうだよな。
低く垂れ込めたどんよりとした雲が、すぐ頭上に迫っている。
早朝、自転車を漕いでいると、冷気に肌がキリリと痛い。
 
そんな通勤途中のこと。
巨大な市営団地のすぐ脇の花壇で、皇帝ダリアが咲き誇っていた。

どんよりとした空に、今年もだ。
これでもかとばかりに、光を放っている。

凛と咲き誇るその姿は、毎年のこと。
周囲を圧倒するかのようだ。

冬枯れした花壇に、でんと居座るような佇まい。
節くれだった細い茎が、ぐんと真っ直ぐ天に向かって伸びている。
紫花を宙に高く掲げるその姿は、圧倒的で、周囲への遠慮などまるでない。
 
地味で、控え目で、しみじみとしていて、可憐で……。
そんな日本の花を想起するような形容などまるで当てはまらない。
いつ見ても私の目には異質に映る。

調べてみるとメキシコ原産とのこと。
よかった、よかった。
団地の花壇の、そんな小さな展示場で、外国由来のあなたは大事に育てられているのだから。

でもね。
外来の異質性が、全て受け入れられるわけでもないんだ。
 
この前はテレビで見たっけ。

特集番組だった。
淀川に生息するアリゲーターガーという外来魚の駆除。
鋭い牙と獰猛な顔だち。
剥き出しにされた歯牙であらゆる小さな種を次々と食いちぎり、呑み込んでいく。
捕獲までの間、そんなおぞましさや野蛮さをことさら誇張させた字幕が続いた。
 
本当なのだろうか。
本当にアリゲーターガーやブラックバスは、日本古来種を食い尽くしている、ただ野蛮なだけの生き物なのだろうか。
彼らも好んでこの国に連れてこられたわけではないはず。
鑑賞やら格好の釣魚として放流されたあげく、気づけば駆逐の対象となっている。

番組では、釣り上げられた魚たちが戦利品のように、土手にずらりと並べられていた。
アスファルトの上に横たわった彼らは、一様に眼をガッと見開き、口をパクパクさせている。
「いい迷惑だ。生きて何が悪いんだよ。」
もしや、そう抗議しているのではないか。
 
美しく凛と咲き誇る外来花は、花壇という小さな展示場で、手入れをされ、丁重に扱われる。
一方で、獰猛で醜悪な顔をした外来魚は、どんなに悠然と泳ごうと、圧倒的に露悪な存在として扱われる。
 
植物や魚だけ?
いいや、そんなことはない。

介護や農業の研修生とした来日した外国人がコロナ禍で職を失い、集団生活を余儀されているらしい。
狭い部屋に寄り合い、集団で途方にくれる姿があまりにも痛ましく映った。
同じ人間なのに、異国では同じ扱いを受けることができないとは。

本来、必要な人材として海外から呼び寄せられたはずが、今ではお荷物のように扱われている。
固有や古来という枠組みから外され、外来異種として見なされた存在は、この国では捨て駒にされ、いや、それどころか、時には何をしでかすかわからない、異質で、犯罪者のように後ろ指をさされることもある。

彼ら彼女たちも、本来なら、あの美しいダリアのようにこの異国で咲き誇るチャンスがあったはず。
期待に胸を膨らませ、笑顔で、楽しく仕事をすることを望んでいたことだろう。
それをアリゲーターガーのように、腫れ物として、時には害を及ぼす存在として我々は扱っている。
立場が変わった時、自分たちが異国で同じような扱いをされたら我々日本人はどう思うのだろうか。 

流動が激しいこの時代。
今さら、固有種をことさら大事にするガラパゴス諸島のようにでもなるつもりか。
苦しんでいる者たちを脇へ追いやるのが得策なのか。
そして、それはこの島国が頑迷に持ち続ける固有の閉鎖性から来るものなのか。
 
どんよりとした空。
冬めいた景色が、暗くもたげるように目の前で広がっている。
そんな深く沈みこんだ景色に、凛と開花する外国由来の紫花は、何かを訴えているようにさえ映る。

心はやはり晴れない。

生きている限り、どんな小さな徒花であろうが、笑顔で気持ちよく咲いてみたいことだろう。
たとえ、異国の空が、どんなにどんよりと曇っていようが。
なあ、そうだろ。

2021年12月15日 20:20

ま、まさかそんなことに・・・。

ワタシ
朝早く、ごめん。
突然だけど、本日いつもより早く
出勤してくれる?

ツンドラ
頑張りますが・・・


ワタシ
難しい?

ツンドラ
正直、少し・・・

ワタシ
なんで?

ツンドラ
じつは、今、
ニューヨークなんで

ワタシ
はっ?    

ツンドラ
国際スパイ会議に出席しておりました

ワタシ
えっーーー!! 

温暖
ツンドラさん、諜報員
だったの?

ツンドラ
はい。実は。

温暖
し、ししらなかった・・・
    
ツンドラ
黙っておりまして、すみません

温暖
そうなんだぁー。
す、すごいっ!
有能だったんだぁ。 

ツンドラ
はい
才能をひた隠しして
いるのは大変でした

ワタシ
わ、わかった。
とにかく理由はわかった。
でも、できるだけ早く来てくれ。
患者さんから連絡を受けている。

ツンドラ
ラジャー!
すぐにジョン・F・ケネディー
空港へ向かいます。

ワタシ
あ、ありがとう・・・。

温暖
早く来れるんですね。

ツンドラ
はい
期待に添えられる
よう頑張るのが私
の任務です

温暖
どこまで有能な方なの・・・

ワタシ
では、気をつけて。
スパイは常に狙われるも
のだからな

ツンドラ
大丈夫です
有能なので

ワタシ
よし、頼んだぞ

ツンドラ
チケットが取れました。
ロス経由JALボーイング
681便に搭乗します。

ワタシ
ありがとう。
気をつけて。

ツンドラ
ラジャ。


ツンドラ
大変なことが
起きました。

ワタシ
ど、どうした?

ツンドラ
ハイジャックされました

ワタシ
なにっーーー!

温暖
ええっーーー!

ワタシ
飛行機は無事か?

ツンドラ
大丈夫です

ワタシ
よかった・・・

ツンドラ
でもパイロットが撃たれました

ワタシ
えーーーー!

温暖
飛行機は、ど、どうなるの?
ツンドラ
代わりに私が操縦しています。

ワタシ
そ、操縦もできるのか?

ツンドラ
はい
有能なんで

ワタシ
なんてことだ。
私は君をずいぶん
誤解していたようだ・・・

ツンドラ
はい
そのようです

温暖
私も誤解を・・。
ところでハイジャックした人達
はどうしてますか?

ツンドラ
半分やっつけました
それ以上は分かりません
とにかく今、関空に向かってます

ワタシ
了解
とにかく無事で帰って
きてくれ

ツンドラ
困ったことになりました

ワタシ
今度はどうした?

ツンドラ
右翼から火が噴き出てます

ワタシ
えっ?

温暖
ど、どどうするつもり?

ツンドラ
パラシュート脱出します。

ワタシ
ちょ、ちょっと・・・。
乗客の方々はどうするの?

ツンドラ
今、それどころではありません。

ワタシ
えっ・・
お、おい。
ツンドラぁー!

温暖
ツンドラさん!
それどころじゃないって、なによ。
人命なのよ!

ツンドラ
大丈夫です
あとはうちのジェームスに任せますので

ワタシ
ジェームスってだれだ?

ツンドラ
ボンドです

ワタシ
ジェ、ジェームス・ボンドもいるのか・・・

温暖
あなた、ダブル・オー・セブンと知り合いなの?

ツンドラ
はい
諜報員仲間ですから
ちょっとした連れです

ワタシ
そ、そうなのか・・・

ツンドラ
ちなみにボンドとはセメダインよりも固い絆で結ばれています。

ワタシ
まさにボンド繋がり・・・

温暖
・・・・

ツンドラ
ボンドから皆様に言いたいことがあるようです

ワタシ
な、なんだ?

ツンドラ
”No Time To Die."
 
ワタシ
ま、まさかの番宣・・・

温暖
・・・

ツンドラ
では、脱出っー!
ぷしゅっー!

ワタシ
えっ!
ぷ、ぷしゅー?

温暖
ちょ、ちょっと待って・・・
 
ツンドラ
安心してください
無事、太平洋に着水しました
パンツも履いてますよ
 
ワタシ
ぶ、ぶぶ、無事なんだな。
 
ツンドラ
大丈夫です
でも・・・
 
ワタシ
で、で、でも?
今度はなな、ななんだぁ−!
 
ツンドラ
人食いザメに囲まれました
 
ワタシ
えっ!

温暖
今度はジョーズ・・・
大丈夫・・・ですか?

ツンドラ
右足の親指を齧られたところで海亀に助けられました
安心してください
パンツも履いてますよ
 
ワタシ
そ、そそ、そうか・・
親指だけで済んだのか
とりあえず無事でよかった
 
ツンドラ
今から甲羅にのせられて竜宮城へ向かいます

ワタシ
竜宮城はだめだ!
大阪湾へむかえ!

ツンドラ
失礼っ!
大阪湾へ向かいます
 
ワタシ
よっ、よかった。
とにかく急いでくれ。
患者さんがもうすぐ来るんだ。
 
温暖
でも甲羅って・・・。
海亀って遅いんじゃないの?
 
ツンドラ
そんなことないです
今、マグロを抜きました
 
ワタシ
マグロよりはやいのか!

温暖
思ったより速そうで、よかったわ!
 
ツンドラ
大阪湾に入りました
淀川を遡上します
 
ワタシ
だ、だめだ。
淀川はだめだぞ

温暖
そ、そそうです!
だめですよ!!

ワタシ
淀川を遡上すると枚方へ行ってしまうぞ!
 
ツンドラ
えっ!
 
ワタシ
神崎川に回れ!

温暖
そうよ。神崎川を遡上して
海亀さんに三国で降ろしてもらってください!
 

ツンドラ
ラジャーッ!
 

ツンドラ
三国に漂着しました。
 
ワタシ
よかった!
無事で・・・。
 
ツンドラ
私もホッとしました
ワタシ
こちらもホッとした
 

ツンドラ
じゃ、ロッテリアで休んでもいいですか?

温暖
だ、だめー!

ワタシ
絶対、だめだ!
走れぇ!
頼むから走ってきてくれ!


そう言って、今日も慌ただしかった、いつもの朝。
肩をゼエゼエ言わせながら、髪振り乱し、ツンドラがドタバタとやって来ました。
ありがとう。無事で。
何事もなく職場にきてくれて、本当によかった、よかった・・・と、これで本当によかったのでしょうか?
2021年10月15日 15:13

新しいスタッフが加わりました

先週より、新たな受付スタッフが加わりました。
まだ慣れず、しばらくの間、色々と手間取るかもしれません。
寛大に見守っていただければと存じます。
他のスタッフ同様、どうか可愛がっていただければ幸いです。
ついでに、わたくしめも今まで以上に可愛がってくださいね。
なんなら「お手」ぐらいいたします。
ワン!
 
2021年09月20日 21:53

月曜なのに歌謡曲だなんて・・じゃ、今日も昭和歌謡でよろしくて

ねぇ、あなた
感謝してるわ
本当よ

あなたはいつも私を大事にしてくれた
本当に誰よりも私を愛してくれた
心から可愛がってくれたわ

でもね
それが重かったの・・・

私はカゴの中の鳥
あなたの束縛から逃げられずにいた
逃げたかったのよ

だから・・・
あなたの視線から逃れるように
いつも窓際に座った
黙って窓外に広がる景色をみていたわ
あなた以外の世界を知りたかったの

ねぇ、あなた
感謝してるわ
本当よ

でもね・・・
言いたいことはまだまだたくさんあるの

あなたはいつも私中心でいてくれた
欲しいものはなんでも買い与えてくれた
本当に私を愛してくれた
何不自由なくね

でもね
それが重かったの

あなたは私を微笑んで見つめた
私があなたのベッドで戯れていると
あなたは嬉しそうに笑った

何がそんなに嬉しいのか
私にはさっぱりわからなかったけれど

でもね
あなたの喜んでくれる顔は嬉しかった
あなたが微笑むと私まで嬉しくなった
本当よ

でもね・・・
段々、煩わしくなってたのよ

ねぇ、あなた
感謝してるのよ
やめてよ
泣かないで
別れはいつだって訪れるものよ

あれはいつだっけ
とっておきの写真があったわよね

私が心地よさげにソファーに寝転んでいると
あなたはなぜか
可愛いを連呼して
パシャパシャとシャッターを押した

でもね
私にはその意味がさっぱりわからなかった

それどころか
あなたの視線が窮屈にさえ感じたのよ

あなたの視線を横目にね
私はやり場のない気持ちを窓外に向けたわ

何をすることもなく
窓際に一日中座り込んで
黙って景色をみていたわ

一体、そこには何があるんだろうって
ここを出たらどんな世界があるんだろうって

だってもう忘れたもの
家の外にいたことなんて
もう、ずいぶん昔のことなのよ

ねぇ、あなた
やめて
泣かないで
感謝してるのよ

突然、私がこんなことを言いいだしたから?
ごめん
謝るわ
でもね、別れはいつだって早く訪れるもの

恋愛をたくさん積んできた私だから
別れの時くらいわかるのよ

泣かないで
いいから黙って聞いて

あなたはいつも私中心でいてくれた
欲しいものはなんでも買い与えてくれた

チュールに おもちゃ
またたびに シーバ
マグロの缶詰に 猫じゃらし

私の周りはいつも食べ物や物で溢れていたわ
でもね

本当に私が望んでいたものって
あなたにわかる?
私がそんなもので喜んでいたと本当に思っていたのかしら

私を見つめる目
その瞳には慈しみがあった
いつも無償の愛に満ち溢れていたわ
私だってわかってた

でもね
それが重かったの

絶えず注がれる
あなたの視線

鍋の中で丸まる私に
あなたは夢中でシャッターを押した
そんなあなたの愛が窮屈だったの

ねぇ、あなた
泣かないで
許してちょうだい
こんな風に伝えて悪いと思ってるわ

本当にごめんね
あなたには感謝してるの
本当よ

時々 思い出すわ
あなたとの日々を

色々なことがあったわね

ねえ
初めてあなたと会った時のこと覚えてる?

あれは台風の後だった
私は家族とハグれてしまったの

もともと母は自由気ままな人だったから
授乳してくれないことも度々あった
どこかに遊びに出かけてしまってね
たまに帰ってこないこともあったから

小さな私は心細くて
あちこちを彷徨った
自販機の裏
空き家の草むら
公園のベンチ下
いつの間にか兄弟ともはぐれて
ひとりぼっち
迷子になってたの

そしたらすごい雨が降ってきてさ
風もとても強くて

怖くなって
慌てて側溝に逃げ込んだけど
びしょびしょになった体は
だんだん凍えていって

怖くて
辛くて
怯えながら一人
ぶるぶる震えていたっけ
本当に死ぬかと思ったの

そんな私を拾い上げてくれたのはあなた
びしょ濡れの私をあなたは優しく抱き上げてくれた

どろどろで汚い私
服が汚れてしまうのに
構わず あなたは私を胸に抱き
おうちに連れて帰ってくれた

ねぇ、あなた
やめてよ
泣かないで
感謝してるの

笑っちゃうわよね
私 ひどく汚かったもん

目には膿のような目ヤニがいっぱいで
半分しか瞼が開かない状態だった

おまけに体中が痒くて
汚れを取ろうとして
あなたが櫛で毛をかき分けてくれると
地肌にはノミがいっぱいで

そんな私をみて
あなたは悲鳴のような声をあげたわ
とても慌てて

ねぇ、あなた
やめてよ
泣かないで
感謝してるの

すぐに病院へ連れて行かれたわ
微熱も出てたっけ

診察台に載せられた私は
怖くて ギャーギャー泣き喚めいた

そんな私を
あなたは不安そうに見ていたっけ
なんとかして、先生〜!
な〜んて、泣きべそかきながら叫んで

ふふふ
動揺するあなた 
みっともないったらありゃしなかったわ

それに何よ
あの小太りのおっさん
ふん  
もっとイケメンの獣医のところに連れて行きなさいよ

あいつ、ぶっとい指で
私の口を無理やり開けて

それからあ〜んな大きくて
とっても苦い薬をさ

私が嫌がってるのに
無理やり飲ませてきて

私はゲホゲホむせてしまって
なのにまだ終わらないのよ

最後はおまけと言って
全身にノミ用のスプレー

あのおっさん
ひどいったらありゃしなかった

二度とこんなところに連れてこないでよ
私はミャーミャー騒いで暴れたわ
あなたに向かって泣き喚いた

覚えてる?
そうよね
私の怒りは収まらなかったもんね
家に帰っても興奮冷めやらずに
ずうっと泣き叫んでたもの
当たり構わず、排尿してやったし

なのに・・・
あなたはそんな私を1日中看病してくれた
ずっとあやしてくれた
深夜でも
献身的にね

痩せ細った私の体が
しっかりと完治するまで
あなたは二時間おきに哺乳を続けてくれた

ねぇ、あなた
やめてよ
泣かないで
感謝してるの

冬に突然吐いたこともあったわね
あなたはいつも同じ
慌てちゃってさ
私を抱き抱えて、すぐにあの病院へ

あの小太りのおっさん
何よ あのおっさん
ほんとムカつく
もっとイケメンの獣医のところへ連れてきなさいよ

暴れる私をね
優しい顔をした看護師たちが
タオルで包むように保定してくれた

そしたら、またあの小太りのおっさん
ひょこひょこ診察室の向こうから出てくるの

にこりともせずによ
無理矢理だった
私の背中に注射を三本も打ったのよ
私、びっくりしちゃって

あなた
私があいつのこと大嫌いだって知ってたはずよね
なのに
なんで
あんなひどい目に私を合わせたのよ

私 発狂したわ
ぷんぷんに怒ったの

いつものように
みっともないくらいにギャーギャーと泣き叫んで
診察室で暴れるだけ暴れて
獣医も看護師も大変だったと思う

だって
やつらの腕が 血だらけになるまで
何度も引っ掻いてやったもの

あの後
あなたは必死であの人たちに謝ってたわね

なんで?
謝らなくてもいいのにさ・・・

自業自得なのよ
ふふふ

家に帰ってもね
私の怒りは治らなかった
病院でのあなたの態度が気に食わなくて
私を抱きしめようとしたあなたの手を
思いっきり引っ掻いてやったわ

気性の荒い私だもの
わかるわよね
私の性格
もうあなたも十分わかってるでしょ

収まりがつかなかったのよ
そんな私を
あなたはとてもすまなそうにみていたわ

そして
ごめん 
ごめんね
あなたは私に何度もべそかきながら
そう謝ったわ

でもね
ダメだったの

あの頃には
我慢の限界が来ていたのよ
あなたの存在が煩わしかった
鬱陶しかったの

あなたの優しさ
あなたの愛情
全て押し付けがましく感じた

私をもっと自由にさせてよ
そう思ったの

私は本気であなたから離れたいと思った
もっと自由に生きてみたい
そう思った

そうよ
だって
私は自分の魅力に気づいていたもの

なぜって?

だって そうでしょ
窓の外にはね
いつの頃から
男たちが張り付くようになったから

出てこいよ
こっちへ来いよ

男たちは私に向かって
ミャーミャー鳴いた
そんな男たちの
誘いの声も理由のひとつだったのかな

私 衝動に逆らえないタチだから

私は見計らったわ
洗濯をしているあなたの挙動を
一つも見逃さなかった

網戸を開ける一瞬の隙
私は狙い定めたように
おうちから さっと飛び出した

背中越しから
「ポン吉〜」って
悲鳴に近い声が聞こえたわ

けど
構わなかった
振り返ることもしなかった

だって
私だって必死だったのよ
本当にあなたから逃げ出したかったから

外に出ると
草陰に男が隠れていた
彼は私の前に飛び出す

そんな走り出す彼の背中を
私は追うように
街へ走り出したわ

連れられるまま
連れられるまま

私は必死で走ったわ

あれが初めての家出

初めて歩く外界は刺激的だった
知らない人たちがいっぱいいた
家の中とはまるで違う

自由が無限に広がる
そんな風に感じた

商店街には見たこともないものが並んでいた
なんでもあった
豊南市場に行けば
人間たちが売れ残った魚を投げてくれた
ネズミだってあちこち掴み放題だった

本当に
神秘的で
刺激的で
こんな楽しい世界が家の外にあるなんて

私はあなたに束縛されていたことを改めて知った

だから
本気であなたのことを恨みもした

あなたを恨んだのはそれだけじゃないわ
なんで私に「ポン吉」って名付けたの
今時、ポン吉なんて名付ける人なんていないわ
大体、私、女よ

ねぇ、あなた
やめて
泣かないで

ごめんごめん
今のは冗談よ

いまさら名前のことなんてどうでもいいわ
いいの
ポン吉でいいのよ
今はポン吉で幸せなんだから

話を戻すわね
私 思ったの
もう自由なんだって
そう思ったの

通りを歩けば、男たちが発狂した
私が腰を振りながら尻尾を突き上げて歩くと
びっくりするくらい
あちこちから大勢の男たちが現れた

路地 電信柱の物陰
2階屋根 側溝
男たちは次から次へと現れては
私を奪い合うように喧嘩した

♪喧嘩をやめて 二人を止めて♪
河合奈保子を歌っても
あの人たちは喧嘩をやめなかったわ

だってあなたも知ってるでしょ
発情した男たちが
どれほどバカかって

つまりね
あの頃の私には
魅力があったのよ
どの男たちもイチコロだったもん

ねぇ、あなた
やめて
泣かないで
感謝してるの

そうね
たくさん恋もしたわ
一夜限りの恋も何度かした

ねぇ、あなた
やめて
泣かないで
感謝してるの

それよりごめんね
赤裸々な話ばかりして

あなたには悪いと思うわ
聞きたくない話もあったはずよね
なんで今さら?

そんなに混乱しないで
でも避けては通れない話なの

最後まで聞いてちょうだい

二歳になって私は初めて妊娠した
つわりになった私を見て
あなたはひどく狼狽した
そんなあなたの顔を見て
申し訳なくも思った
あなたにはこんな私が
遊び歩いている悪い女のように映っただろうから

でもね、なんでだろう
狼狽するあなたを見て、シメシメとも思ってたの
もう少し困らせてあげたいって

だってあなたが優しすぎるから
私を甘やかしすぎるから

その愛が
どれだけ本物か
確かめるためにね
困らせてやりたかったのよ

妊娠中
私は迷惑の限りを尽くしたわ

その食器嫌い
お皿を変えて
じゃないと食べない
そのご飯はもっと嫌い
もっと美味しいドライフードを買ってきて
美味しくないわ このドライ
やっぱりウェットにして

あなたの困る顔を見ては
私は心の中で
ふふふっと笑っていた

二ヶ月後
私は出産

5つの新しい命だった
不思議だったわね

出産するまで、あなたはあんなに狼狽してたのに
あんなに困り果てていたのに
生まれてきた子供たちを見ると
あなたはとても喜んでくれた

それどころか
私以上に、育児もしてくれた
私を育ててくれたみたいに
あなたは懸命に私の子供たちを看てくれた

一人一人 子供たちを抱いてさ
哺乳も手伝ってくれて

それだけじゃないわ
あれだけあなたに反抗してきたのに
そんな嫌なことも忘れてしまったように

子供たちがうんちをしなければ
私の代わりにお腹をマッサージしてくれて

なんて優しい人なんだろう
こんな優しい人を私はなんで嫌がったのだろう
私はちょっと反省した

おまけにさ
夜になると
育児で疲れた私を
あなたは優しく抱き抱えてくれて
私が寝転がって、子供たちに授乳する背中をあなたは微笑みながらマッサージしてくれた

ねえ、あなた
やめて
泣かないで
感謝してるの

その後もね
身勝手よね 私
夜遊びがやめられなかった
ごめんなさい

結局あれから私は四回出産した
家出と夜遊びの楽しみが忘れられなかったのよ

でも、あなたはもう何も言わなかった
好きなようにさせてくれた

私が外に出てたいなら
と言って
毎月、ノミの駆虫もしてくれた

怖い病気にかかるといけないから
と言って
ワクチンも定期的に打たされた

病院は相変わらず嫌いだったけど
あのおっさんの顔は見たくなかったけれど

私のわがままに寄り添ってくれるあなただから
それくらいは聞いてもいいわ
そう思えるようになったのもあの頃のことね

でも、それが油断だった

六回目の妊娠
さすがのあなたも困惑したみたい

私をケージに押し込めて
病院へ連れていった

私 てっきり
また駆虫のために連れていかれるんだって
みくびってたの

けど、今度ばかりは違ったようね

ケージから出された私は
何かがおかしいとすぐに察したわ

慌てて
ミャーミャー暴れた

いつものように
おっさん獣医の腕を思いっきり引っ掻いてやった

そしたら洗濯ネットに押し込められて
気づくと、ふっとい針で
お尻に注射をされたの

すぐに眠くなった
瞼がすっごく重たくて

気づいた時には手術台の上
全てが終わった後だった
私は二度と子供を産めない体になっていた

あの時、本気であなたを恨んだわ
泣きながら私を抱きしめるあなたを
うつろな目で見つめ
私は本当にあなたを恨んでた
殺してやりたいとも思った

そうよ
私の人生は終わったのよ
そう思った

もう二度と男たちを虜にできない
自由を奪われた
そう思ったの

そりゃ 今ならわかるわ
あなただって、次々と生まれてくる子供たちの新しい養育先を探すのに困っていたと思う
でも、避妊するなら
私に一言くらい相談があっても良かったんじゃなくて?

あれ以来、あなたの顔を見るのでさえいやになった
外に出て行くのも嫌になった

私は家に閉じこもったわ
自分の殻に閉じこもった

あなたを許せなかったの
あなたが出してくれるご飯も
あなたの前では
わざと食べないようにした

あなたが猫じゃらしを持ってきても
私はもう興味を示さなかった

だって
興味を示せば
あなたに負けたことになるから

強情な私ね
ほんとバカだったわ
あんなに良くしてもらったのに

ねぇ、あなた
泣かないで
感謝してるの
本当よ
なのに私・・・

歳をとるとダメね
涙もろくなるの

私 なんであんなに
あなたに反抗したんだろ

なんでも買い与えてもらったのに
全て私を中心に生活してもらったのに
あなたは私をいつも大事にしてくれたのに

チュールに おもちゃ
またたびに シーバ
システムトイレに 自動給水器

少し呼吸が苦しくなってきたみたい
でもね
まだ話し足りないわ

ねえ あなた
泣いてるの
やめてよ

病院は嫌いよ
今もあの小太りのおっさんを見ると吐き気がするくらい

でもね
今ではわかるの

ケージに入れられて
毎週連れていかれるでしょ
本当は病院なんて嫌よ

でもあなたが泣きながら
ごめんね
ごめんね
というと
今の私はもう抗えないの
昔みたいに暴れて駄々をこねることなんてできないの

だって
皮下に輸液をしてもらうと
一時的にだけど
体がとても楽になるから

あんなにしんどかったのに
だるさがすうっと抜けて
楽になるのよ
ふふふっ

ありがとう
あなたが私のために病院へ連れていってくれるのが
ようやく私にもわかってきたみたい

そりゃ今も小太りのおっさんは嫌いよ
もっとイケメンの獣医はいなかったのかしら

でもね 
病院通いをしてさ
あいつがそんな嫌なやつじゃないってことくらい
今の私でもなんとなくわかるようになってきたわ

もう あの頃とは違うのよ
私も変わったみたい
なんでも反抗してきたあの頃とは違うの

私も歳をとった
考え方も変わった

私みたいなバカでもさ
少しは経験を積んだのかしら

ごめんね
足腰が悪くて
すぐにふらついてしまって

ありがとう
毎日抱き抱えて
トイレに連れていってくれて

あなたに抱き抱えてもらうと
とても安心感があるわ

毎日 私を抱き抱えてくれる
毎日 痩せほそったこの体をマッサージしてくれる

今では
無償の愛を感じるの

あなたは本当の母親
私の唯一信頼できる人

脱水症の私だから
血圧も高くなった
視界も狭くなった
便秘気味で苦しくなる
関節が痛くて階段も登れないし
ちゃんとまっすぐ歩けないし

あなたはそんな私の背中を今日も優しく撫でてくれる
あなたのベッドの上で
小さく丸まる私の背中を

ごめんね
あんなにひどい態度を取ってきたのに
最後までこんなに優しくしてくれて

ねぇ、あなた
感謝してるの
本当よ
泣かないで
本当に感謝してるの

少し疲れてきたみたい
おしっこがしたくなってきたわ
トイレに連れていってくれる?
本当はもうほとんど出ないだけどね

おかしいわよね
でももう20年近く生きてるの
大往生でしょ
だから十分よ

そう思えるのも
あなたのおかげ
あなたのおかげで
こんなに長生きできた
まさかこんなに生きていけるなんて思わなかった

側溝で
びしょ濡れになりながら震えていた私
怖かったわ
心細かったわ

あの時、あなたが助けてくれなかったら
私は本当に死んでいた

そんな私を
あなたは我が子のように助けてくれて

そして今も同じ
あなたはあの時のように
私を抱きしめてくれる
優しく包み込んでくれる

病気で苦しむ私を
何一つ恩返しできなかった私を

無償の愛で
あの時のように
抱きかかえて

ねぇ、あなた
今ならわかるわ

あなたの優しさが
母親以上に愛してくれたあなたの優しさが

ねえ あなた
感謝してるわ
本当よ
本当に感謝してるの

いつも優しかったあなたへ
いつも愛情を注いでくれたあなたへ

なんでそんなに私に尽くしてくれるのか
あの頃の私にはさっぱりわからなかったけど

でもね
今ならわかるの
これだけは言えるの

わがままばかりで
ごめんなさいねって

ねえ あなた
泣かないで
感謝してるのよ
本当よ

だから
もう一度だけ甘えていい?
あなたの膝の上で眠らせてくれる?

私 最期くらい
素直になろうと思う

別れる前に
今まで言えなかった感謝の言葉を
言いたいのよ

聞こえないようなか細い声で
本当に申し訳ないんだけど
感謝の言葉を言いたいの・・・

 
 
2021年08月14日 15:00

ワクチン接種

先週の日曜日に、1回目のワクチンを接種することができた。
大規模接種センターはとても流れがスムーズで、待ち時間もなく、思ったよりもすんなりと接種することができた。
ありがたいことである。

で、その後のことではあるが、二日ほど、腕の痛みを覚えた。
それだけ。
でも、一緒に接種しにいった息子は症状が出た。
打った直後は痛みだけだったが、翌日から微熱が出て、関節痛がひどかったらしい。
翌日仕事から帰宅すると、「父さん、インフルエンザに罹ったときみたいに背骨やら関節が痛いわ。父さんは? なんもないの?  なんか、すっげえむかつく」とほざいていた。

ばーか。
日頃の行いじゃ。
ワクチン接種にも人間性がでんねん。
人間の深みというか味わいというか。
おでんのだいこんみたいにじゅわっと滲み出んねん。
とくにコロナにおいてはな。
ははは。

まあまあ。
話によると二度目のワクチンの方が副作用は出やすいらしい。
早めに打ててうれしいが、それなりの警戒も必要なようである。
 
2021年06月24日 17:55

雪松のお供に。

餃子の雪松が病院の近くにオープンした。
胸おどる。
だって無類のぎょうざ好きだもん。
餃子は自分で作るくらい。
でも、まあ、作るたびに、「まずい」と家族から不評を買いもするが。

まあ、そんなことはどうでもいいやね。
雪松さんに興味引かれるのはそれだけではないもんね。

だって、ここ、デジタル時代に反逆するかのような無人販売をしてるらしいし。
なんか田舎の道端でやってる農作物販売みたい。
ほのぼのするような。
そんな話題性もあってか、なんでもオープン初日は行列ができたらしい。

うむうむ。
やはり食してみたい。
無人販売で買ってみたい。
でもなあ・・・。
突然、買って帰ると、また怒られるからな。

「ちょっと、余計なもの買ってこないで。毎日、ちゃんと献立は考えてるの!」

な〜んて、ぷんぷんだもん。
それもこっぴどく。

もう。
大丈夫だって。
俺だって、ちゃんとわかってるよ。
俺、アホだけど、バカじゃないもんね。
サル並みにはちゃんと学習できるもん。

だから、そうだな。
よし、そうだ。
こうしよう。
ここは子供をだしに使おう。

帰宅後、台所にあの人がいることを確認し、呑気にテレビを見ている息子にいう。
「お前、そろそろ餃子たべたくないか」
「いらない」
「なんで?」
「だって、父さんが作る餃子、究極にまずいもん」

フン。
違うわ。
わしが作るんじゃない。

煮えくり返りそうな思いをひとまず押し殺す。
咳払いひとつ。
いうなれば、こほんとひとつ龍角散だ。
で、と。

「ちゃうで。あんな、病院の近くに餃子の雪松がオープンしたんや」
「あの無人販売の? それなら興味あるな」
「あるやろ。なら、買ってこようか」
「ええけど、ちゃんと母さんに了承得てから買ってきた方がええよ」

(あかん。ばれてる・・・)

賢明な私。
瞬時に作戦を練り直さねば。

よし。
ここは息子の機嫌をとる作戦に変更だ。

「な。受験生のお前も、たまにはちゃんとスタミナ満点の栄養食をとった方がええやろ。な、餃子食べたくなったやろ。週末にどうだ?」
「はははは」
顔をテレビに向けたまま、息子がにやりと笑います。
「かあ〜さ〜ん。父さんさぁ、オレをだしにして雪松の餃子を食べたいみたいだよ」

(こいつ、ほんまにふざけやがって。余計なこと言うなっ!)
にやにやしたむすこ。
慌てる私。
「何いうてんねん。お前を思ってのことやでぇ~。な、食べたいだろ」
「いやいや、父さんが食べたいだけだろ」
「そんなことはないぞ。きっとお前も食べたいはずだ」
「俺は、そんなに食べたくない」

あかん。
完全に心の中が読まれている。
仕方ない。
ここはいったん大人の私が素直になるしかない。
子供あいてに本気になってどうする?

「わかった。正直にいおう。食べたいのは私だ」
「素直でよろしい。じゃ、焼きで」
「なに? あほかっ!」

(ほんま、こいつ、わしのいやがることばっか言いやがって・・・。焼き餃子なんて食えるかっ!)

でもな、あかん、あかん。
冷静にだ。
そうそう。
咳払いをもう一度。
ここぞとばかりに、ゴホンとひとつ。
龍角散ダイレクトォ~!

「いいか。教えておくぞ。我が家では、餃子は水餃子。決まってるんやで」
「誰が決めたん?」
「わしが決めた」
「余計あかん。ぜぇ~ったい、焼き」
「あほ。あんな油っこいもんなんて食えるか。歳を取ったら、油より水餃子のがうまく感じんねん」
「俺は若いの。だから焼き。じゃなきゃ絶対ダメ。譲らんから」
「うるさい。水餃子だ」
「だめ。焼き。じゃなきゃほんまいらん」
「ふざけるな。餃子は水餃子だろっ! 雪松の餃子は太子の時代から水餃子。そう決まってんねん」
「なんやねん、太子の時代って」
「お前、聖徳太子もしらんのか。いい年こいて、このアホめ」
「アホはそっちやろ」
「まっ、まっ、まさか、おまえは太子が定めた十七条の憲法を読んだことないのか」
「あるかっ!」
「ふっふっふ。あの関西が生んだ偉大な人物を知らぬとは。かわいそうなエセ大阪人め」
私はにやりと息子を見下ろします。
「よろしい。おしえてやろう。まずその一、和を持って貴しとなす。うやまうことを根本とせよ」
「だ、だ、だからなんだよ」
「うやまえ。父をうやまうのじゃ。餃子は水餃子にせよ」
「あほくさ。オレ、もう、いらねえし」
そういって、息子は両手を上げて、背伸びをする始末。

くそ。
見透かしやがって。
ほんま頭にくるやつだ。
もう許さん。
今日こそ、お前に立場と言うものをはっきりさせてやる。
父親の威厳というやつだ。
お前が今まで見たことがない、ほんまもんの威厳というやつを見せつけてやろう。
いいか。
その腐り切った耳をカッポとほじって、よく聞くが良い。

「お前は大事なことを忘れている」
「何を?」
「なにを、だと。ははは。十代後半にもなってお前はまだそんなこともわからんのか」
「なんだよ」
「この家では私が絶対だ」
「はあ?」
「だから、我が家ではこの父親が絶対の権限を持っておる。幼少の頃からそう教えてきたはずだ」
私はそのまま息子を包み込むように優しい目で見つめ、ダメ押ししてやりました。
「いいか、この家では私の言うことがすべてだ。息子のお前は黙って聞け。従え!この鶴の一声に従うのだ」
「はあ? もうわけわからんし」
そう首を傾げた息子は突然、腹を抱え、くすくすと笑い出しました。
そして笑いが治らないのか、さらには噴き出しました。
だはははは。

な、なんだ、その態度は・・・。
「何がおかしい?」
「おかしいもなにも・・・」
そう言って、息子は椅子に座ったまま、上半身をくるりと回します。
台所へ顔を向けた息子は、そのまま
「かあさ〜ん、父さんが地雷踏んだで。あんなこと言っとるけど、言わせといてええんか?」
と一言。
軽率にも導火線へと火を放ったのです。
ひやあ〜。
それはあかんやつや。
絶対に使っちゃあかんやつやって!
やめろ。
我が家の最終兵器を簡単に出すな。

でも、時すでに遅し。
急いで口に手を当てるも、吐き出した言葉は戻ってきません。
あのシェーンのようにです。
馬に乗って颯爽と去っていくだけです。
振り返っても、後悔しかやって来ない。
どうやら今年もそんな夏がやってきたようです。
すぐに凍りついた我が背中には、ドライアイスのごとく、グングンと冷気が迫ってきていました。
そして白煙と共に耳元まで一気に押し迫ると、アラジンの魔法のランプのごとく湧き出たマザーデビルが、ぽつりと囁くのです。
【焼きに決まってるやろ。ついでにあんたもホットプレートで踊り焼きにしたろか】
もう、ぐうの音も出ません。
凍りついたまま、無言で項垂れている私を、息子がうれしそうに笑って言います。
「最高やな。週末は父さんの踊り焼きやて。雪松にチャーシューや!」

な、ななんてことを・・・。
これが家庭の末端に据え置かれた私の立場なのか。

ということで、今週末、我が家の夕食は雪松と一緒に脂身たっぷりの焼き豚となりました。
悲しい現実ではありますが、こうなった以上、私も受け入れるしかありません。
残された道は他にないのですから。
今週末、私は用意されたホットプレートという華やかな舞台にて、あのかつおぶしのごとく、切なく舞い、そして儚く踊り散ってまいりたいと思います。

「生きて帰らじ 望みは持たじ」
この精神一択で、今週末を過ごす所存であります。

庄内ならびに豊南町のみなさま、短い間ではございましたが、大変お世話になりました。
本当によくしていただき、今となっては感謝の言葉しかございません。
皆様方のご健康とご多幸を祈願し、これにて筆をおろしたいと思います。
世の中年男性の方々も、くれぐれもホットプレートには気をつけて、ご自愛いただければと存じます。

では、最期に。
美味しい雪松と共に。
ごめんなチャーシュー・・・。

 
2021年06月23日 17:42

もしかして世紀の一戦が開催?

朝刊を見て驚いた。
だって、阪神、オリックスがともに首位。
あかん。
信じられへん・・・。
コロナといい、暑すぎる気候といい、ほんま世の中どうなってんねん。
まさか在阪球団同士の日本シリーズってか?

ええ〜!
そんなん、嘘やろ。
阪神、オリックスのワンツーフィニッシュ?
ほんま、そんなことが起こりえるか~。

夢ちゃうよな、これ。
ほんまに起こったら、まさに世紀の戦いになりそうや。

五輪が国家発揚の起爆剤になるって?
あほか。
そんなんうそうそ。
阪神優勝したら、それどころちゃうで。
国家発揚どころか、列島大爆発じゃ。
日本中が大騒ぎになんでぇ。
そないなったらどないすんねん。
緊急事態宣言また出てまう。
もう、お祭り騒ぎどころじゃすまへんって。

あかん。
あかん。
あかんて。
わし、考えるだけで卒倒してまいそうや。

なんや?
まだ気が早いやて?

そっ、そ、そうだな・・。
まっ、まだまだだな。
そっ、そっ・・・そうそう。
わし、また浮かれてもうたか。
あんたが言う通り、まだまだ早いわな。
だって、うちらの阪神やもんな・・・。
 
2021年06月22日 16:23

ゆりの木動物病院

06-6335-5387

診療時間
月・火・木・金
AM 9:30~12:30
PM 15:00~19:00
AM 9:30~12:30
AM 9:30~12:30
PM 14:00~17:00
休診日
水午後・日・祝日

病院のご案内はこちら

サブメニュー

モバイルサイト

ゆりの木動物病院スマホサイトQRコード

スマートフォンからのアクセスはこちら

北摂夜間救急動物病院
電話 072-730-2199
箕面市船場東2-3-55
大阪動物夜間急病センター
電話 06-4259-1212
大阪市東成区中道3-8-11